現在会社勤めで年金受給が視野に入ってきている人にフリーランスをおすすめしない理由を紹介します。
フリーランスで成功している人はフリーランス約400万人のうちわずかです。
フリーランスで年収が1,000万円を超えている人はわずか2.9%です。
仮に年収が500万円以上に基準を下げてもわずか全体の15.6%です。
一方、1週間あたりの労働時間は、なんと60時間以上働いている人が8.6%です。
同様に40時間以上では29.0%です。
1.フリーランスの収入
日本労働組合総連合会「フリーランスとして働く人の意識・実態調査2021」によると
フリーランスで年収が1,000万円を超えている人はわずか2.9%です。
仮に年収が500万円以上に基準を下げてもわずか全体の15.6%です。
労働時間が少ないという理由もあるのでしょうが、年収が100万円未満の人は30.6%です。
フリーランスで生計を立てるのはなかなか難しそうです。
年収 | ~1百万円 | 1~3百万円 | 3~5百万円 | 5~10百万円 | 10百万円~ |
比率 | 30.6% | 32.0% | 21.8% | 12.7% | 2.9% |
2.フリーランスの労働時間
1週間あたりの労働時間は、10時間未満の人が17.3%です。
その一方で、60時間を超えている人も8.6%います。
1週間あたりの労働時間が60時間ということは週1日休んだ場合、残りの6日間は毎日10時間働くことになります。
管理職でない会社員であるならば、週約40時間以上働けば残業手当が発生します。
しかしながら、フリーランスではどれだけ長い時間働いても残業手当は出ません。
作業時間が長く単価が安い仕事の場合、時給で計算したら100円未満ということもあります。
1週間あたりの労働時間
時間 | ~10h | 10~20h | 20~30h | 30~40h | 40~50h | 50~60h | 60h~ |
比率 | 17.3% | 13.6% | 17.9% | 22.2% | 16.6% | 3.8% | 8.6% |
3.フリーランスが悩んでいる仕事上のトラブル
アンケートの調査結果ポイントでは、仕事上のトラブルを特記しています。
わざわざ調査結果のポイントで説明するほど、トラブルが多く、フリーランスの人にとって問題になっているということです。
アンケートでは「この1年間にフリーランスの仕事でトラブルを経験した」人はなんと39.7%もいます。
約4割の人がトラブルを経験しているのです。
トラブルの内容は、
①「報酬の支払いの遅延」
②「一方的な仕事内容の変更」
③「不当に低い報酬額の決定」
です。
主なトラブル三つのうち二つが報酬関係であり、せっかく働いたのに…、です。
そして、そのトラブルの解決状況 は「完全には解決していない」が56.6%と半分以上です。
フリーランスは立場が弱く、泣き寝入りする場合が多いのです。
個人事業主なので相談する人がいないからです。
そして仕事を発注する側もそれを承知で足元を見てきます。
あいまいな口約束でまたは約束も契約もしないまま、仕事を引き受けるのは極めて危険です。
4.フリーランスが不満に思っていること、不安に思っていること
フリーランスがより働きやすくなるために必要だと思うことTOP4は次のとおりです。
①「フリーランスが利用できる福利厚生」
②「所得が補償される制度・仕組み」
③「雇用保険のような制度・仕組み」
④「フリーランスが団体扱いで加入できる共済・保険」
つまり、この四つはフリーランスが不満に思っていること、不安に思っていることです。
残念ながら、フリーランスは会社員ではなく、個人事業主です。
したがって、「会社員のような福利厚生はない」「所得収入の保証はない」「雇用保険はない」「共済・保険は個人でかけるので安くならない」のです。
普通の会社員の人はまったく意識していません。
しかしながら、会社員からフリーランスになった多くの人は、フリーランスになった時に初めて先程のような問題に気づきます。
そして、フリーランスになったことを後悔するのです。
どうしても必要な場合以外はフリーランスになることをおすすめしません。
5.まとめ
残念ながら、フリーランスで成功している人はわずかです。
フリーランスの報酬は、労働時間ではなく、成果・実績で決定します。
つまり、どれだけ労働時間を増やしても、収入が確約されている訳ではありません。
仮に、フリーランスになれば、会社員時代より収入が減少することは必須です。
そして、仕事上でトラブルが発生して、困惑することも必須です。
以上の理由から、年金をもらえるまで、できるだけ長く会社員であることをおすすめします。
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